私たちの人生には、好むと好まざるにかかわらず人間関係のトラブルがついてまわります。そのトラブルにうまく対処して収束することができれば、成長という果実が手に入るのですが、対処できずにネガティブな感情を内に抱いてそのハードルを越えることができない場合がよくあります。一般的にいわれるストレスとはそのような状態をさします。乗り越えることができれば、ストレスにはならないからです。ということから「ストレス」を日常用語で説明すると「ネガティブな感情を未処理のまま蓄積されたもの」と言います。
小さなトラブルから発生したストレス(第一感情)であっても、その感情が蓄積すると、大きなエネルギーとなって爆発することになります。これが怒りという第二感情です。怒りは、ものごとを早く解決するにはいい手段であるかもしれませんが、決してよい結果を生み出すものではありません。なぜなら、怒りを発した側も、ぶつけられた側も両者ともに、心地よい幸福感は訪れることはなく、むしろ反感や敵意を増幅させ、不幸感を生じさせることになるからです。
日常に起こる何気ない小さなできごとのなかに、第一感情になる「何か」が潜んでいます。その「何か」は、人とかかわる中で百面相のように姿を変えて現れるので、その正体を見極めるのは至難のワザかもしれません。しかし、ハピネス的な柔軟な思考法で謎解きをしていくと、その「何か」の本質が見えてくるはずです。
ハピネス・ブースター(トラブル・シューティング)のエクササイズは、受講者やクライアントから寄せられたさまざまな実例をもとに、出来事にとらわれることなく、本質の部分に焦点を当てて、その感情の解放や、心の癒しへの技術を探求するために作成されました。このテキストに掲げられた例題がすらすら解けるようになれば、どんな難題を持ち込まれても楽々と解決できるコナンのようなカウンセラーとなれることでしょう。といって、難しい専門的知識や専門語が必要なものではなく、ちょっと目線を変えて出来事と感情を、ごくふつうの日常語の語り口でできるものです。
さあ、頭脳に酸素を送り込んでこの謎解きに挑戦してください。
この病んだ社会で悩む人を、一人でも少なくし、平和と幸福と繁栄を築く礎をつくるために!!
出来事ではなく思いや感情に焦点を当てて考えます。
出来事視点では「白い肌」に対する考え方が問題としてしまいますが、ここでは人の視線に拒否反応をしていると考えます。そして次のような言葉がけをしていきます。
「あなたは人並みはずれた特別なセンサーをお持ちなのでしょうね」
「人の視線の中の考えや、思いが、直感で感じ取る人なのですね」
「白いということばではなく、自分に向けられる視線に敏感すぎたのではないですか」
そうして緩やかに内面の奥に語りかけていきます。
「あなたは近代文明社会で感覚器官を崩された人を救うために、とびきり優れた感覚を持って生まれてこられたのではないですか」
と今まで考えもしなかった特性に気が付きます。そしてまたその感覚が大きな能力であり、役割であることを知ることとなり、ポジティブな感情が湧き出て自信がよみがえってきます。
子供がそういっているのではなく、自分がさびしくて腹を減らせていること、また、自分をもっと大事にしてくれという思いがその言葉の裏側に潜んでいます。
「おじいちゃんがそういうやさしい心だからこそ、こどもたちがおじいちゃんを大好きなのだわね」
この『大好き』という言葉は人の心を溶解させます。
「今日はおじいちゃんの一番好きな鯛のお刺身を買ってきますから、待っててくださいね」と重ねると、おじいさんは「自分のことを一番と考えてくれている」という喜びに変わり、怒りなどの感情は消失するというわけです。